エピローグ「赤羽事件・終」

それは終末の物語。
最悪の異常現象「赤羽」に滅ぼされた、14年前の花宮市の結末。
秩序の終焉。
狩人の敗北。
死体で埋め尽くされた街並みの中で、その名もなき敗北者は目を覚ます。

――いまだ天使狩りは現れず。
もはや誰も生き残れない。
片腕片足を失い、終わりゆく地獄をじっと眺めていた。