
「斬-the black side blood union-」
【これは、願望から生まれた「呪い」を討つ「狩人」達の物語】
古来より「呪い」とは、人の情から生まれしものとされている。
苦痛憎悪絶望渇望。人間が持つそれら負の感情から生まれる「呪い」。
それが肥大すると、人を殺す「バケモノ」を生み落すようになる。
そんなバケモノ達の討伐を専門とする「狩人」を師に持つ少年・羽村リョウジ。
態度は悪いが根は情が厚い彼は、姉妹弟子である高瀬アユミと共に狩人としての修行に精を出す日々を過ごしていた。
そんなある時、彼は1人の陰気な少年から「死相が出ている」という予知を受ける。
さらにその晩、羽村の知り合いの子供・吉岡雛子が「生きたまま食い殺される」事件も発生。
生意気ではあったものの、自分に懐いてくれていた子供の死に羽村はショックを受ける。
だがそんな彼のもとにさらなる衝撃の事実が届けられる。
なんと、雛子の事件現場に「呪いの痕跡」があったというのだ。
羽村は狩人として、事件を引き起こした「呪い」の討伐へ向かう事になるが――。
「行き場を無くした子供たちは、一体どこへ行くのだろう。太陽のない世界に置き去りにされて」
次々と異様な死を遂げていく子供たち。羽村になされた死の予言。
人々が生む「呪い」は、狩人の目に何を見せるのか。
残酷な程に優しく、憎らしい程に無情な世の中だからこそ生まれてしまう、幾つもの「
負
の連鎖」。
その行く末を見届けろ。
(2021年8月17日連載開始。)