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掌編「イジメを乗り切る101の方法 2番目」
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彼女はイジメを受けている。
苛烈なイジメだった。とりあえず、毎日みんなに犯されている。
セーラー服を引き剥がされて、白い胸を剥き出しにされ、半裸のままで犯される。
汚されていく彼女は人形みたいだった。
瞳の中には何もない。最近は抵抗も小さい。ただ時折声を上げる程度で終わってしまう。
今日も彼女は小突かれながら男子トイレに引っ張り込まれ、脱がされ、スカートを捲り
上げられて犯されている。
腕を足を掴まれて。
開かされた細いふとももの白さが僕のお気に入りだ。あれは眩しい。思わず僕も“イジ
メ”に加わりたくなってしまう。
しかし、無関心キャラで通している僕は1歩外から見守るに留まる。ああ、なんだか勿
体ない。
「ぶっちゃけ私、顔は可愛いよね。なんでイジメられるんだろうね?」
いつものように授業が終わり、放課後に2人きりになると彼女が言ってきた。
秘密だが、僕は彼女の数少ない話し相手だ。
彼女が真っ黒な瞳で世間話のように聞いてきたので、僕はてきとうに答えておく。
「さぁ。可愛いからイジメられるんじゃないの?」
「ふーん……そっか」
翌日、彼女はカッターナイフで顔をズタズタにして登校してきた。
みんな驚いた。
彼女をイジメる者はいなくなった。
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